よくある病気について
大腸の病気
いろいろな大腸の病気について
大腸にもまた、いろいろな病気があります。
下記メニューから、お知りになりたい病名についてご選択ください。
>> 大腸ポリープ
大腸ポリープとは
いろいろな形があり、大きさも1mm程度から5cm以上までいろいろです。
炎症性のもの、過誤種腫性(大腸粘膜に迷入した細胞から発生する)、腫瘍性のものなどがあります。
それぞれ形だけでは判別は難しいのですが、大腸ポリープのうち8割以上は腫瘍性のものと考えられています。
腫瘍性のポリープはそのまま放置しておくと少しずつ大きくなり5年ぐらいでがん化するものもあるといわれています。
腫瘍性ポリープの発生原因
遺伝子の異常は先天的なものと後天的なものがあり、先天的なものは家族的に発生するタイプのもので血縁者に大腸ポリープや大腸がんが見られ、遺伝子の異常が遺伝した場合に発生します。
発がん物質や放射線によって遺伝子の異常が生じる場合もあります(後天的遺伝子異常)遺伝子の異常の程度によって発生するポリープの数、形、部位に違いがみられます。
家族性大腸腺腫症という病気があります。これは大腸ポリープが家族的に多発し若年のうちに大腸がんが発生する明らかな遺伝子異常を伴った遺伝病です。
大腸ポリープの症状
ある程度の大きさになると便が接触することにより少しずつ出血することがあります。
眼で見ても判らないような出血もあり、最近では便潜血検査といって便を科学的に検査して血液が混じっているかどうか調べることができます。
大腸ポリープの治療
切除する時には痛みは全くありません。
ポリープの茎の部分に金属の輪をかけて高周波の電流を流して焼き切るのです。
専門医が治療を行うことで安全性は高まりますが、合併症として切除した部分から出血したり、穿孔といって腸に穴があくことがあります。これらは、緊急処置や手術が必要になることがあります。
大腸ポリープの内視鏡治療は専門的技術と知識が必要ですので必ず専門医に相談することをお薦めします。
大腸ポリープと大腸がん
専門医が注意深く観察すれば判別可能な場合が多いです。
しかし、内視鏡で切除して顕微鏡検査ではじめて判ることもあります。
早期大腸がんの大部分は内視鏡で切除するだけで完治します。
1cm以上の大きさの腫瘍性ポリープのおよそ半分はがん化しているといわれています。
腫瘍性大腸ポリープは発がん物質の影響でがん化しやすいと考えられています。
大腸ポリープの早期発見方法
前に述べましたが大腸ポリープは自覚症状はほとんどありません。
便潜血検査で陽性になった場合には必ず大腸の精密検査を受けるようにして下さい。
大腸の精密検査には内視鏡検査とレントゲン検査があります。
大腸ポリープを早期に発見するためには内視鏡検査の方が確かなようです。
レントゲン検査では小さなポリープや平坦型のポリープはなかなか発見できません。
便潜血が陰性でも内視鏡検査でポリープや早期がんが発見されることもあります。
およそ2年毎に大腸内視鏡検査を受けるようにすることにより早期発見ができると考えられます。
>> 大腸がんについて
大腸がんとは
大腸がんは、大腸粘膜の細胞から発生し、腺腫という良性腫瘍の一部ががん化して発生したものと正常粘膜から直接発生するものがあります。大腸がんは、粘膜から発生し次第に深く浸潤していき、進行するにつれてリンパ節や肝臓や肺など別の臓器に転移します。
ステージ分類
-
0期 がんが大腸の粘膜にとどまる -
Ⅰ期 がんが大腸壁の筋層にまでにとどまる -
Ⅱ期 がんが大腸壁の筋層をこえて浸潤しているがリンパ節転移なし -
Ⅲ期 がんがリンパ節に転移している -
Ⅳ期 がんが肝臓、肺、腹膜などに遠隔転移している
診断
治療
>> 大腸憩室症
大腸憩室症
内視鏡で観察すると、まるで蜂の巣のような窪みが見えます。これを憩室と言います。
症状がなければ基本的には治療は必要ありません。
食生活の欧米化や便秘が原因ともいわれていますので、日ごろから食物繊維の多い食事を心がけたり、排便コントロールを行うことも大切です。
>> 大腸憩室炎
大腸憩室炎
憩室の中に便がつまり、細菌が増殖すると炎症が起こります。
腹痛がみられ、特に炎症を起こした部分に近いおなかを圧すと強い痛みを感じます。
そのままにしておくと症状がどんどん増悪します。
必ず専門医に診てもらって下さい。
ほとんどは抗生物質の点滴で治まりますが、ひどくなると憩室に穴があき、緊急手術が必要になることもあります。
>> 憩室出血
憩室出血
比較的多量の出血がみられ、凝血(血液のかたまり)が下痢状に排出されます。
その場合は専門医を受診して下さい。
点滴と絶食で改善することが多いですが、時には内視鏡を用いて止血術を行うこともあります。
>> 虚血性腸炎
虚血性腸炎
突然の腹痛、下痢の後に出血し発症します。
腸管の血流障害や便秘、浣腸などによる腸管内圧の上昇が原因といわれています。
高齢、糖尿病、高脂血症などの基礎疾患を持ち、動脈硬化が強い方に発症しやすいです。
下行結腸~S状結腸に好発します。
良性の疾患ですが症状が強い場合は入院し絶食、点滴による治療が必要です。